ダブルハイヤーとの意識共有。説明を試みる
研究所にいた男は金髪のロングヘアーで、いかにも異人という雰囲気。
外構は田舎のサイロ然としているのに、入口から一歩入ると予想外にクールでモダンな造りになっていた。
だだっ広い石畳のエントランスの奥に見える、青いライトが漏れる小部屋(長靴の足の甲の部分)が、その研究所。
金髪の男は、やわらかく光るドームを前にしている。
よく見るとドームには人影が見えた。もう一人いる。
黒髪ロングの性別不詳。
服を着てるかどうかもわからない。肌がうっすら桜色に光っている。女性的な柔らかい雰囲気があるなあと感じた。
「白紀」
これは僕の名前だ。
金髪の男の声だろうか。
目が合うと、声が流れ込んできた。
テレパシーができるらしい金髪。
でも言葉じゃなくて、ウェルカム的なニュアンスだけが伝わってきた。
言葉を介さず、直接腑に落ちた、腑に入れて貰った、みたいな感じ。
桜色の肌の人もこっちを見てにっこり。
思わず照れてしまった。
この金髪を僕はサイロックと呼んでいる。
黒髪はシルティ。
俺を含め三人が、意識を共有しているみたいなことになっている。
いつも共有してるというより、必要なときにアクセスできるクラウドみたいな感じ。
俺の意識の中の牧場には、いつもあの長靴型のサイロがあって、そこに行けばサイロックとシルティがいる。
スピリチュアルの勉強をしたら後から説明がついた。
俺はいわゆるハイヤーセルフが二人いて、
男性性と女性性に分かれており、
それがサイロックとシルティ。
そして、日本某所に、白紀というローワーセルフ、地上用メディアがある。
知識は後からついてくると思う。
金髪サイロックはまるでドラえもんみたいに様々なアイテムを取り出す。
ペン型の何とか活性機とか、ビジョンを変えるサングラスとか、素人でもアカシックが読めるアンテナとか。
陽気で、ヘラヘラしてて、でも頼りがいがある。
黒髪シルティは風の旅人って感じ。爽やかで透明感がある。