長靴にまつわる紆余曲折
小学校入学前の僕は
(幼稚園には行かず 母ときょうだいと近所を探検して遊んでた)
長靴型住居 をよく絵に描いていた。
わからないけど しょっちゅう描いていた。
ここに行く!たのしい!うれしい!おもしろい!
小学校入学式の前、
ホッチキスで指をバチン!と閉じてしまい
絆創膏を貼って登校した。
長靴型住居の封印がほんのり解かれたのは
高校一年のとき。
金髪ロングの男の人のことを
うすらぼんやり思い出して
ノートに似顔絵を描いてみた。
そいつは長靴型の建物に住んで、というよりそれは動いたり飛んだり消えたりするので、乗り回している、という設定が、ノートの中によみがえっていった。
長靴を乗り回す金髪。
フィクションだなーと思いつつ、
悩んだとき、いつもそいつに相談してた。
至近距離で見るとブッ飛んでいるのに、一歩引いてみるととびきりベストな答えが返ってくる。
ある日知人と訪れた山の中のパン屋の庭で、
肘が突然ピツーンと痛む。
蜂に刺されたと思い、ハーブのスプレーをかけ、
様子を見ると何故か四角形に腫れる。
何かがゾッと核心に触れ、意識がハッとした。
(知人もその前日、同じ状況になったという。
その知人とは奇縁で、一緒に滞在したコテージにて頭上を十数機の光る円盤が通りすぎたり、さらに数年後、母の友達が引っ越していったセドナに一緒に遊びにいきそこで結構なユーエフオー体験をするがまた後日)
どういうこと?
いつものように金髪に聞くと、
俺がやったという。
なんだなるほど と腑に落ちた。
護られるような感覚があって安心した。
ある日
車で寝ていたら白昼夢を見た。
目の前に黒髪ポニーテールのとても綺麗な中性的な男性が現れる。
とても近くで声が聴こえる、
耳元より近く。
脳内に搭載したスピーカーが鳴っているような感覚。
全身がほどけて落ち着く、倍音のかかったような声。
日本語で喋っているのに海外のラジオのように聴こえる。思考が働かない。
車の中にいるはずなのに背景がなんとなく白い。
白昼夢のはずなのに目は覚めていて現実は見えている。
17のとき東日本大震災。
19の時に父が急死した。
僕は大学を中退し、拾ってもらったデザイン事務所も逃げ出し、バイトもやめた。
何もすることがなくて、父の生命保険で母と開いた飲食店も、三年でやめた。
たくさんの災害が起こり、その中心地にいたにも関わらず無傷で、でも何をしても続かず、
家族三人だけで、山小屋に籠ることにした。
そこで知った。
この世はただ絡まったコードじゃない。
もつれて、切って、また別のとこで貼って、最初に繋いだ人がもう亡くなってて、新入りがよくわからんけど切って貼って、、、
もうほどくことはできないってこと。
絶対に解けない、ひっからまって 切って貼って いびつに変形した知恵の輪。
、、と見ることもでき、
同時に、ただの、巨大鳥の巣と見ることもできる。
山小屋で紆余曲折の末
金髪黒髪ダブルロン毛と会話できるようになり、
(こまかいことはまた今度)
僕はハイヤーに何でも教えてもらえるようになったので、
質問が浮かんだらその都度聞いていたんだが、
だんだん質問をまとめて~いちいち聞くっていう一連のことがまどろっこしくなって
「意識を共有しましょう」
と提案した。
僕は白紀という名のメディアだが
サイロックとシルティも常時アクセスしている。
それが珍しくない時代に突入したとおもう。
一個一個、書いていく。